夜光の階段

5年後、東京――。美容室「ムラセ」に罵声が響いている。客に高級時計を贈られたアシスタントの佐山道夫(藤木直人)を、店主の村瀬進太郎(渡辺いっけい)がホストのようだとなじっているのだ。実際、佐山には女心をくすぐる美貌と、満足させる美容師としての腕が備わっていた。そんな佐山に吸い寄せられるように、枝村幸子(木村佳乃)が店に入ってくる。たった今、店先で男と別れたばかりの幸子だったが、その心はすでに小犬のような佐山に魅せられていた…。 夜光の階段 DVD


遠くに聞こえる水音。逃れるように藪に走り込む男と女。強く抱き合う2人を闇の中から凝視する若い男――翌朝、女は冷たい体で発見される…。
そして道夫も彼女に囚われたのだ、永久に。


無意識に仕掛けた罠だったのじゃないかと。 夜光の階段 DVD
もしかしたら、本当に最後まで道夫と共にいる為に―たとえ地獄でも―
最後まで道夫を守ると言い続けた女にしてはあまりにも稚拙な偽装工作と結末。

道夫の母と道夫の最後の…そして本当に愛した女のフジ子の最後の行動が印象的でした。


全体的にナレーションがすこし耳障りであったりもしましたが、福山雅治には決してなれない、藤木直人のB級感が、競演の役者の人たちの豪華な存在感と不思議な有機反応を起こしていて、ある意味とても見応えのあるドラマでした。



ドラマの舞台は美容界。美しさを求める女性たちは、一人の才気あふれる美しき青年美容師に群がり、その美容師は女たちの求めに応じていくつもの顔を使い分けながら、美容界の頂点に立つという内なる野望にのみ忠実に生きる。女が望むのは独有。男を満たすのは富と名声。誰もがその駆け引きに勝ち、階段を昇っているつもりでいるが…。夜光の階段 DVD