天国への階段

白川道原作のベストセラー小説をテレビドラマ化。裏切り、復讐、友情が交錯するサスペンスに満ちた愛憎劇。競走馬生産牧場を経営する父の自殺を機に、息子?圭一は復讐を誓って北海道を後にする。派手な流血場面がないぶんむしろ眼差しに宿る凄みが尋常でない。衣装ひとつとっても、一見地味なスーツに見えてシルエットがやっぱりクロウトだったり、さりげにゴツいシルバーのリングが指に光っていたりで裏の社会を歩いてきた男を匂わせる演出は心憎い。天国への階段 DVD

俳優陣もすばらしく、佐藤浩市の奥の深い厚みのある演技は勿論のこと、個性豊かなキャラクターのなかにあってひときわ異彩を放つ津川雅彦、大塚寧々の寂しい女ぶりも実に切ない。新人の宮本真希も鮮烈だ。が、なんといっても個人的には加藤雅也の「児玉専務」萌えなんである。天国への階段 DVD 柏木の右腕としてストイックな辣腕ビジネスマンでありながら隠すに隠せぬ裏の顔。柏木のために人知れず自らの手を汚すときの、端正な顔が修羅と化すその一瞬。



スケールの大きい画像と人間関係の複雑な復讐劇は柏木圭一(佐藤浩市)、本橋一馬(中村俊介)を中央に繰り広げられる。天国への階段 DVD それに加え、豪華出演陣加藤雅也?風間杜夫?そんな男性俳優たちのスーツ姿ひとつをとっても、ストーリー置き去りに、見入ってしまう。中でも、俊介のスマートな姿、甘いマスクの裏に抱える重い邪悪な復讐。ここは見逃せない。だんだんと明かされていく、人間関係の意外性も、なんとなく最初からみえているものの???「やっぱりね」と思いながら納得する自分がいて、次回も見たくなる。